蒼いノートがなくなっちゃった
職場で
後ろのページに 小説が走り書きしてあった
夜勤のトキ 書いたやつ
誰も所在を知らない
探してもくれない
そのノートがあったことさえも 知らない人もイル
患者さんの疾患や 病棟の業務や
処置の仕方や 検査の内容なんかも
細々とメモってあった
なくなっても
誰も 困らない 私以外
負けない 負けたくない なんにも
6年間あるから きっと身に付いてるから
あんたたちなんかより
そう思いながら毎日 出勤する
患者さんの中に 男勝りな美人さんがいる
すごくよく見ていてくれる
「滴ちゃんにやってもらうのが一番だよー気兼ねなくってさぁ。」
そう言われて 視界がにじんだ
泣かない 簡単には泣かない
とっておくの
泣きそうな顔で笑っても 許してよ
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