すこしづつ

2004年10月26日 日々の徒然
パン教室をキャンセルして
高速で病院へ向かう

途中
渋谷で3台玉突き事故

いらいらしながらも
2時間半かかってお昼には到着

祖母は
すこしづつ
寝ている時間が増えてきた

帰り担当の看護師さんに呼び止められて
「やっぱり、貴方の言うとおり、お母さん動揺があって・・・
昨日、個室に移動したときも感情失禁があったのね。
こないだいただいた、お孫さんたちの連絡先
もしものときは貴方に一番に連絡していいのかしら?」

K子さんは人前で泣かない人だ
どんなときでも

実の兄が亡くなったときも
涙を見せないので「非情な人だ」と言われていた

そのK子さんが人前で涙を流した

悲しいときはわざと泣きのドラマを見てごまかす人だった
やっぱり、自分の親で
覚悟の出来ていない最後で
受け入れができていないのだろう


看護師だってことはばれてるしなぁって
職場の電話番号も教えた

「なにかあったら上司には話が通っているので
夜勤で交代できないとき以外は駆けつけます」
そういってメモを渡した

ステーションから一番近い個室
重症ということで、減免になっていると教えてくださった

いつでも泊り込めるようにと

「おばあちゃん?」
話しかけると うっすら目を開ける
きょろきょろと天井を仰いだ後
「ここだよ?」と手を握ると
ゆっくり視線を運んで
うつろな目で
「・・・うれしい。」とにっこりする

「痛いところはない?どこか辛いところはない?」
毎回、そんなコトしか聞けないのに
「足が痛い。お腹が痛い。お尻が痛い。」って毎回答えてくれて
そこをさすると
「幸せ・・・。」って笑ってくれる

「・・・死ぬんだろう?」って言うから
「おばあちゃん、あっちでおじいちゃんも、おじちゃんも、待ってててくれてるよ?
寂しくないよ?」

そう告げた

「そう?・・そうかぁ・・・。」

安心したように、また眠りに入る

その寝顔を
いつまで側で見ていることが出来るだろうか

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滴

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